夕顔ってたくましいんだね
源氏物語に”夕顔の君”って女性が出て来るでしょ。
一日限りでしぼんでしまう、夕顔のように儚い女性。
この夕顔の君という女性は、元々、光源氏の親友の頭中将の側室だったんだけど、
正室にいじめられちゃって、頭中将の元から去ったんだ。
で、下町にひっそり暮らしていた時に、通りかかった光源氏と恋仲になるの。
光源氏は寝ても冷めても、夕顔のことばかり想ってしまう。
もう、夕顔の君の虜になってしまうわけ。美しい正妻と愛人もいるのにね。
でも、夕顔の君はある日廃屋で突然なぞの死を遂げてしまう。
薄幸の女性なのね。可哀想に。
光源氏はそれから何十年も夕顔のことを「常夏の女」と呼び、突然この世から去った彼女を想い続けるわけ。
今年の夏、私は初めて夕顔の苗を自宅の垣根に植えてみた。
園芸店の店先でしなびた夕顔の苗が100円で売ってて、
それを見て、「ああ、なんて儚い感じ。まさしく夕顔の君だわ」と思って買ったんだけど、
めちゃ強いぜ!夕顔!
あんなにしなびて、今にも死にそうで弱々しい苗だったのに、伸びるわ伸びる。
ぐんぐん、伸びまくって、大輪の白い花をどんどん咲かせたの。
これ。見て↓
で、さすがに寒くなったから、咲かなくなったので、刈り取ったんだけど、
最初植えたときのヒョロリとした茎がぶっとくなってた。
最初にその儚さに惹かれて買った苗はどこ吹く風。
ぶっとくなってたよ。刈り取るのも、一苦労。
源氏物語の夕顔の君という女性が薄幸で儚いというイメージを振りまいてたから、
実際の夕顔は、なかなか強いし、たくましいなぁと感心した。
まぁ、確かに花は一日で萎むんだけどね。
そういえば、源氏物語の「夕顔の君」はこんな歌を詠んでたよね。
夕顔:
「心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕がほの花」
(もしかして、お噂の方でしょうか。夕顔の露が”光って”いるものですから)「源氏物語」
なんて、積極的な女性なの。光源氏を誘っているのは夕顔の君やん。
それに対し、光源氏は、
光源氏:
「寄りてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔」
(私が誰かは、もっと近くで寄って見ないと。たそがれ時の光で見た夕顔よりも、もっと近くで)「源氏物語」
訳「私が誰か知りたかったら、もっと深い仲になりましょう」
源氏物語、全部読んだことないけど、やっぱりやばすぎる。
夕顔をひと夏咲かせて見て思ったんだけど、強いよ、夕顔。
一日で萎むけど、次から次へと花をどんどん咲かせるし、
「見てよ、私。美しいでしょ」ってな感じだったな。
源氏物語の「夕顔の君」も実は強い女性だったんじゃないかな。
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